最高の睡眠

90分の倍数寝ても、目覚めが悪いケースはいくらでもある

量より質という認識はもはやグローバルスタンダードといえる

忙しい日常を送る現代人にとって、今以上の量の確保は現実的とは言えない

睡眠時間が長すぎるとかえって体に悪い


最高の睡眠とは?

脳・体・精神を最高のコンディションに整える、究極的に質が高まった睡眠である


朝起きた時にベストな状態になるためには?

睡眠中の脳と体の中では、自律神経脳内化学物質、そしてホルモンが休みなく働いている


どんなに忙しくても、最初の90分をしっかり深く眠ることができれば最高の睡眠がとれる


最高の90分得るためのキーワード3つ

①体温

②脳

③スイッチ


夜な夜な訪れる人生の3分の1の時間が、残りの3分の2も決める


世界一睡眠偏差値が低い国・日本

平均睡眠時間

フランス:8.7時間

アメリカ:7.5時間

日本:6.5時間


日本には睡眠時間が6時間未満の人が約40%

これはアメリカでは、短時間睡眠とされている


短時間睡眠は遺伝であると2009年に学術誌Scienceに発表した

フランス革命で活躍したナポレオン・ボナパルトは、一説によると彼は3時間ほどしか眠らなかった → ショートスリーパーは遺伝である


毎日寝不足で週末は寝だめするぞという感じは、それは脳からのSOSサイン


死亡率が一番低いのは、平均値に近い7時間

それより短時間でも長時間でも、6年後の死亡率が1.3倍高いという結果がでている


短時間睡眠の女性では肥満度を表すBMI値(体格指数)が高い、つまり太っているという報告もある


悪循環の理由

インスリンの分泌が悪く、血糖値が高くなり糖尿病を招く

食べすぎを抑制するレプチンというホルモンが出ないため、太る

食欲を増すグレリンというホルモンがでるため、太る

交感神経優位で緊張状態が続くと高血圧になる

精神が不安定になり、うつ病、不安障害、アルコール依存症、薬物依存症の発症率が高い

これらは、肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病に直結する

認知症にもかかりやすい


睡眠の問題を時間で解決するのは難しい


最初の90分間のノンレム睡眠は、睡眠全体のなかでももっとも深い眠りである→徐波睡眠とも呼ばれる


ノンレム睡眠レム睡眠が明け方までに、4~5回繰り返し現れ、明け方になるとレム睡眠の出現時間が長くなるのが通常の睡眠パターンである


レムとは、球速眼球運動の略(Rapid Movement)


最低でも6時間は確保することが望ましい


トップアスリートほど、眠りへのこだわりが強かった

体重が重くがっちりとした体型の人ほど硬めのマットレスを選ぶ傾向がある

寝具、明るさ、室温など、睡眠時の環境についてはっきりした自分の好みを持っていた


アドバイスを受けただけでは人は変わらない

特に、正しい情報と理解力が重要


人間の体では、意思とは関係なく自律神経が常に働いている

体温の維持、心臓を動かし、呼吸し、消化し、ホルモンや代謝を調整するのが自律神経


日中は交感神経優位、ノンレム睡眠中と食後は副交感神経優位

学習後に睡眠をとることで記憶の定着が進む

レム睡眠中はエピソード記憶が固定される

ノンレム睡眠は嫌な記憶を消去する

入眠初期や明け方の浅いノンレム睡眠では、体で覚える記憶が固定される


グロースホルモン(成長ホルモン)最初の90分に最も多くなる


レム睡眠はストーリーがあって実体験に近い夢

ノンレム睡眠は抽象的で辻褄が合わない夢


夢は見た回数が多いほど、レム睡眠とノンレム睡眠のスリープサイクルをしっかり回せているから良いことである

正常では7~8回夢を見ている

ちなみに、見たい夢を見ることは不可能


眠っているのに眠気がとれない人?

起きているときに、鼻で吸って鼻で吐く呼吸を意識する腹式呼吸が重要


黄金の90分をしっかり眠ることは、自律神経を整える最高の方法


おすすめな方法

眠気があるならまず寝てしまい、黄金の90分が終了した最初のレム睡眠のタイミングに起きて、資料旁などに取り掛かる


ライフスタイルを整える

毎日の就寝時間と起床時間を固定

特に就寝時間が大事


質の良い眠りであれば体温が下がる


睡眠の質を上げる3つの方法

①就寝90分前の入浴

※もし無理な場合には、深部体温が上がりすぎないようにぬるい入浴またはシャワーで済ませる

②足湯

※シャワーよりも即効性がある

③室温のコンディショニング

※厳密に〇℃が良いとは言えないが、エアコンのお休みモードのタイマー設定が良い


次の日が早い時には

いつも通りに寝て、睡眠時間を1時間削るほうがすんなり眠れて質が確保できる可能性が高い


朝の5~7時に起きる場合には、生理的にレム睡眠が増えているので、目覚めがよくなる可能性が高い


1日5杯程度のコーヒーは許容範囲(400mgまでは安全)とされている

適量であれば、2型糖尿病、肝臓がん、子宮内膜がんのリスクを減らすエビデンスあり

血中のカフェイン濃度は半分になるまで4時間かかる


夕食抜きは眠りと健康にとってまさには百害あって一利なし

夕食を食べないとオレキシンの分泌が促進、食欲が増大、覚醒して眠れなくなる可能性が高い

※オレキシンは、交感神経の活発化や体温上昇も引き起こす



スタンフォード大学医学部教授

スタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長

西野精治

自律神経専門整体 GREEN

他人軸から自分軸へ 「調身、調息、調心」

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